お子さんの身長悩んでいませんか?

(2/15北日本新聞の健康マンスリーに掲載)

子育て中のお母さんというのは、わが子の一日一日、その成長ぶりに喜んだり不安になったりということが少なからずあります。中でも、子どもの身長は気になるところですが、身長は本来個人差が大きいもの。でも伸び盛りの時期に思うように伸びない、基準値を下回る状態が続くときには何らかの病気が原因のこともあるので注意が必要です。

 「低身長」かどうかをみるには医学的には「SD(標準偏差)」で判断し、-2SD以下だと「低身長」とされます(表参照)。この数値は同性・同年齢の子どもが百人いたら低い方から二番目、三番目の身長の子どもがあたり、これより低いようなら受診の必要があります。また、年間を通じて身長の伸びがどうなのか観察するのも「低身長」の目安です。思春期前のお子さんが1年に四センチ以下しか伸びない、また反対に伸びすぎるのも要注意です。
 低身長は大きく分けて、問題のない体質的なものと、病的なものの二つがあります。病気が原因の場合にはすみやかに原因を特定し、適切な治療を行う事が重要で、代表的なものは「成長ホルモン分泌不全性低身長症」です。成長ホルモンは、脳の下垂体という場所から分泌され、軟骨の細胞に働きかけて背を伸ばすホルモンです。分泌が不足している場合には、足りない分を補う「成長ホルモン治療」を行います。治療が遅れれば遅れるほど標準的な身長との差が開きますので、早めの治療が大切です。
子どもの背が伸びる時期は限られています。「低身長」ではないかと気になったら早めにご相談下さい。