先生のつぶやき

ノーベル賞 本庶 佑先生

昨年神戸で先生の講演を聞いてきました。その時からノーベル賞候補だと聞いていましたがまさか本当になるとは思いませんでした。
講演の中身はやはり免疫のことで近い将来癌の治療の中心になるということでしたが 私自身眉つば物と思っていましたが納得せざるを得ません。貴重な経験をしました。

ヘルパンギーナ

最近流行し始めました。夏風邪の1つで 突然の高熱とのどに水泡ができるウイルス性の感染症です。
患者は乳幼児が中心で 5歳以下が全体の約9割をしめています。咽頭痛のため 水分が十分に取れないことがあり、脱水症になることがあります。こまめに 少量づつ 頻回に水分を補充することが大事になります。
ヘルパンギーナのワクチンはありません。ウイルスは患者の便に多量含まれているので 症状が消失しても しばらく排泄されます。
感染予防には 手をよく洗うことが 重要となります。

例年とは違う?!今年の手足口病

メディアで手足口病が大流行と報道されましたが、
実際に当院でも多くのお子さんが受診されました。

手足口病といえば、手や足底に湿疹が見られるのが特徴ですが、今年はいささか違っています。なんと手足以外にも症状が見受けられたのです。

手足の湿疹はそれほどひどくないのに、膝や下肢にかけて発疹がでたり、陰部にも症状が出たりするケースも多くありました。

一方、口腔内の痛みはそれほどひどくなく、例年のように飲めない・食べられないお子さんは少なかったようです。基本的には2-3日で治癒する疾患ですが 発熱で痙攣をおこした患者さんもおいででした。
感染は咽頭分泌物に含まれるウイルスの飛沫感染や便に排泄されたウイルスによる経口感染です。便からのウイルス排泄は症状が消失してもしばらく続きます。感染予防は手洗いが中心となります。

だいぶ下火になりつつありますが、流行は続いていますのでご注意ください。

咽頭結膜熱(夏風邪)

主にアデノウイルスに感染することによってみられる咽頭炎、結膜炎を主とする 急性ウイルス性感染症で 一般的にはプール熱と言われています。
潜伏期間は5日から7日で主として飛沫感染 接触感染ですが感染力は強力で タオル ドアノブ 階段手すり等 患者がふれたものを 触れることによって感染する場合もあります。本疾患は症状消失後も約1か月間に渡って尿 便中にウイルスが排出されるといわれており、効果的な感染予防対策の実行は困難です。従って流行期には保育園、幼稚園、小学校等で集団発生がみられることも珍しくはありません。
治療に関しては 特異的なものはなく 対症療法が中心となりますが 発熱期間が長くなることが多いので 食思不振や脱水などにより 入院加療が必要になることもあります。

IDWRより抜粋

腸管出血性大腸菌感染症

4月下旬より最近まで高岡や砺波の焼肉店で腸管出血性大腸菌による食中毒が発生しました。現在まで4人の方がなくなっております。当クリニックにも数人の患者さんがユッケを食して腹痛があると受診しています。
腸管出血性大腸菌の代表的な菌はO157、O26、O111などで、強力なベロ毒素を産生します。感染にて激しい腹痛や血便などの症状が現れ、一部の患者で溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発して、重症化して時に死亡する事があります。特に免疫力の弱い小児や高齢者では重症化しやすいので注意が必要です。
腸管出血性大腸菌感染症で重要なのは、生肉や生レバーを食べないことや、焼肉の際に箸を使い分けるなどが大事となります。
調理する側も、まな板や包丁を生肉専用にして、使用後は、よく洗浄や消毒をするなど工夫が必要となります。
これから夏場にむけて、他の食中毒も出てきますので、皆さん気をつけてください。(一部富山県感染症情報より参考)

2011年 年頭のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

年末年始はいかがお過ごしでしたか。
帰省や旅行で疲れて発熱・・・というお子さんも
いらっしゃるのではないでしょうか。

12月を振り返ってみますと、最も多かったのは「感染性胃腸炎」でした。
今年はマスコミでも度々取り上げられていましたね。
「感染性胃腸炎」は吐気や嘔吐と伴うおなかの風邪です。
1~2日間はつらいですが、その後は回復します。
また、高熱が続くRSウィルスや咳が続くマイコプラズマ肺炎も流行っており、
入院が必要となる患者様もいらっしゃいました。

気になるインフルエンザですが、当院ではまだ出ていません。
高岡市は鳥インフルエンザはでましたが、人のインフルエンザは数件との報告
とまだ少ないです。

しかしながら、年末年始の帰省等で県外から運ばれてくるケースも考えられます。
ひき続きうがい手洗いを徹底しましょう。
またインフルエンザワクチン接種を希望される場合は、そろそろ終了しますのでご相談下さい。

ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんワクチン

みなさんはヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチン
の接種はお済みですか?
費用が高いからまだ、という方も多いのではないでしょうか。

実は上記の3ワクチンは公費負担される可能性がでてきました。
今年度の補正予算に組み込まれるようです。

しかしながら、可決・施行の時期は未定です。
接種には自己負担が大きいので、公費になるまで待とうと思われる
お母さんもいらっしゃるでしょう。
そのお気持ちはよく分かります。

もし上記の3ワクチンが公費になれば多くのお子さんが接種でき、
子宮頸がんや後遺症が残る可能性がある髄膜炎はぐっと減らすことができます。

一方で公費化に伴い、懸念されることもあります。
そのひとつが髄膜炎の発症です。
ヒブワクチンで予防できる髄膜炎は、1歳未満のお子さんがかかりやすい病気であるため、
公費を待っている間に発症してしまった・・・という事態がないとは言い切れません。
また公費になった場合、全国で接種希望者が一気に増えるでしょう。
その場合、ワクチン不足が発生するのではないかという懸念もあります。

いずれにせよ1日も早く公費になり多くのお子さんが接種できる日が訪れるのを
切に願っているわだ先生でした。

インフルエンザワクチン

10月に入り、だんだん寒くなってきました。
そろそろインフルエンザの予防接種が気になる方も多いのではないでしょうか。
実際にインフルエンザについての質問が多くなり、お母さん方の関心の深さを感じる今日この頃です。

「今年のインフルエンザワクチンは新型にもききますか?」
最も多い質問です。

今年のインフルエンザワクチンは、従来の季節性に加え、新型にも効果があります。
季節性と新型が混合されている為、昨年度のように4回接種する必要はありません。
12歳以下のお子さんは2回接種、それ以上の方は1回接種となります。

「10月に接種すると早すぎますよね?」
というご質問も多いです。

インフルエンザワクチンの効果はおおよそ半年と言われています。
日本ではインフルエンザ流行のピークが1月~3月なので、10月接種だと早すぎるということはありません。
また去年のようにインフルエンザの流行が必ずしも1月~2月とは限りません。
抗体がつくまで2週間はかかりますので、早めの接種をお勧めします。

「0歳なんですけれど、接種できますか?」
当院では生後6ヶ月を過ぎれば接種します。また同時に来院される家族のかたも可能です。

ちなみに料金は1回目3600円 2回目2550円です。またインフルエンザに限っては予約なしで 都合の
よい日よい時間に来院ください。

とびひ

9月になりましたが、今年の猛暑はとどまることを知らず、依然として汗疹(あせも)・とびひ・虫さされの患者さまが多いようです。
さて、今回は「とびひ」についてお話しましょう。

「とびひ」は虫さされや汗疹(あせも)をかいたり、小さな怪我でできた皮膚の傷に細菌が入りこみ、感染することで発症します。「とびひ」には2種類ありますが、多くは水ぶくれができるタイプです。

症状としては、皮膚にできた水ぶくれが、だんだん膿を持ち、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。かゆみがあり、そこを掻いた手で身体の他の部分を触ると、身体のあちこちに症状が広がってしまいます。

治療には、主に抗菌薬を使います。また、必要に応じてかゆみを抑えるお薬なども使われます。抗菌薬は飲み薬とぬり薬を処方することが多いです。
飲み薬を処方すると「皮膚の病気なのに飲み薬?」と驚かれるお母さんもいらっしゃいますが、とびひの原因となる細菌を退治するためのお薬となります。

「とびひ」は、ひどくならないうちに治療を始めると、より早く治すことができます。
気になる症状があれば、早めに受診しましょう。

夏風邪

全国的に梅雨明けし、蒸し暑い日が続きますね。

このところ夏風邪が流行しています。
夏風邪といえば、以下が挙げられます。

  • ヘルパンギーナ
  • 手足口病
  • プール熱

ヘルパンギーナは、38~40℃の高熱が2~3日続きます。
喉の奥に小さな水ぶくれができて痛いので、飲込むのがつらくなります。
発熱初日は嘔気もありぐったりしますが、翌日からは改善してきます。

手足口病は、手のひら、足の裏、口の中に赤い小さな水ぶくれができます。
おしりや膝にできることもあります。乳幼児の間で流行します。
熱は出ないことが多いです。

プール熱は、発熱、腹痛・嘔気、咳・鼻水などの症状が見られます。また、目の充血・目やにが見られることもあります。
なお、プールが直接の原因ではありません。

では、元気で有意義な夏休みを過ごして下さいネ!